「……なぜそんな……彼を陥れるようなことを……」
「なぜだと!?」
と、キースが眉尻を上げて睨む。
「……主人に色目を使う従僕など、辞めさせられて当然だっ!」
「……彼は、そんなことはしていないわ…」
否定するのを聞き入れずに、
「……おまえの言い分など聞いても仕方がないだろう。うまくあの男に丸め込まれていたのだから」
嘲笑うような口調で続ける彼の顔を、
「……丸め込まれてなんか……」
と、睨み返した。
「……何を、そんな目で見る? それに、そこまで躍起になるとは、やはりおまえ、彼のところへ行って来たのだろうが!」