「そう……」

それ以上は何も言えなくなって、彼の淹れてくれた紅茶を啜った。

「……ジュリア様、紅茶を音を立てて飲むなど、」

咎められて、ふふっと笑いが漏れる。

「……あの頃みたいね。そうやって、あなたにはいつも怒られていたわ…」

「……申し訳ありません。もう私は執事でもないのに出すぎた口を……」

「……いいの。……戻りたいわよね、あの頃に」

呟くと、傍らで彼も「……そうですね」と、微かに頷いた。