「ごめんなさい……私のせいで」 彼の心情を慮って謝る私に、 「いいえ…」と、リュートが首を横に振る。 「お嬢様のせいではありません。いいのです、私はここで慎ましく暮らしていきますので」 「……リュートは、それでいいの?」 尋ねると、彼はまた薄く笑って、 「……いいのです」 とだけ、答えた。