「お嬢様、中へ……広くはない家ですが、どうぞ」 手を引いて、招き入れられる。 小さなテーブルに着くと、ティーセットが出された。 ポットから紅茶を注ぐ彼に、懐かしさが込み上げる。 「……あなたが紅茶を淹れてくれるのも、久しぶりね…」 一口を飲んで、 「……変わらずに、おいしい」 笑いかけた。 「よかったです。お気に召していただけて」 彼の返す微笑みに見とれそうにもなる。