「マリナどこまで行くの~」
後ろの方から弱々しいケルピーの声が聞こえてきた。
振り返るとケルピーがへとへとになりながら泳いでいた。
「情けないわね」
「結構泳いできたけど何もないじゃないか。本当に人間のいる場所がわかっているのかい?」
とケルピーは文句を言い始めた。
「わからないわ」
「えっ!?じゃあ僕たちはどこに向かっているの?」
「わからない。だけど私を呼んでいるような気がするのよ」
私はそう言って自分の進んでいる方向を見た。
そんな私を見てケルピーは
「そ、そんな...やっぱり来るんじゃなかった...」
と情けなく言った。
「じゃあ帰れば?私は1人で行くわ」
そう言うと私はケルピーを置いて泳ぎ始めた。
すると
「マリナ待って~」
とケルピーが追いかけてきた。
「行くわよ!」
そうして私たちは再び泳ぎ始めた。