『このことは2人だけの秘密。誰にも言っちゃダメ。約束だよ』

『あぁ、約束...』

まただ。

幼い私の声と、もう1人。

「あなたは誰なの?約束って...教えて!」

私は自分の声で目を覚ました。

今まで何度も同じ夢を見た。

誰との約束なのか思い出そうとしても、どうしても思い出すことができない。

まるで何かに邪魔されているかのように。

「マリナどうしたの!?」

そう言って部屋に入ってきたのはお姉様たちだ。

「な、なんでもないの。怖い夢を見ただけだから」

お姉様たちはいつも優しくしてくれる。

「よかった、なんともなくて」

「そんなに怖い夢ばかり見るなら、私と一緒に寝る?」

「大丈夫よ。だって私、もう17歳なのよ。これくらいなんともないわ」

お姉様たちには私のことなんて心配しないでほしい。

だから

「心配してくれてありがとう」

と笑顔で言った。

するとお姉様たちは安心したのか「そう、よかったわ」と言うと部屋を出て行った。