「ちょっと待っててね」
そう言って汐梨さんはテーブルに料理を並べ始めた。
手伝おうと立ち上がるも「大丈夫だから」と椅子に座らされてしまった。
並んでいる料理は本で見たことのないものばかりだ。
すごくいい匂いがする。
ギュルル...
思わずお腹の音がなってしまった。
その音を聞いていたのか
「あら」
と汐梨さんに笑われてしまった。
恥ずかしい...
私がそううつむいていると、汐梨さんが椅子に座り
「じゃあ早速食べましょっ」
と手を合わせて「いただきます」と言った。
よくわからないけれど、きっとこれは人間の習慣なのよね。
私も真似をして手を合わせる。
よし、食べるぞ...
ん?何これ?
そこには二本の棒が置いてあった。
これはご飯を食べるのに使う道具なのよね...
しかし、使い方がわからない。
そう私が困っていると
「もいかしてお箸知らなかった?ごめん、ちょっと待ってて」
と言って汐梨さんは席を立った。
私はお箸というものを初めて見た。
フォークやスプーンは持っていたし、本の絵でも見たことがあった。
「これなら大丈夫?」
そう言って汐梨さんはフォークとスプーンを手渡してくれた。
これかならわかる!
私は大きくうなずき、その2つを受け取った。
「よかった」
そう言って汐梨さんは笑うと席に着きご飯を食べ始めた。
私もこの世界ですごしならちゃんとお箸の使い方も覚えなきゃね!