それからお風呂に着くと
「心配だから私も一緒に入る」
と汐梨さんが言ったので一緒にお風呂に入ることになった。
服を脱ぎお風呂のドアを開ける。
すると白い煙のようなものがいきなり飛び出してきた。
前が見えない...
としばらく立ち止まっているとだんだん中の様子が見えてきた。
「すごく広いでしょ。うちのお風呂」
確かにお風呂はとても広く私が本で見たものとはまるで違っていた。
「うちのお風呂は大浴場くらいの広さはあるのよ」
と自慢気に汐梨さんは言った。
大浴場...?
それから私はシャンプー?とかリンス?とかを使って長い髪の毛を洗い、少し海くさい体をいい匂いのする泡で洗った。
その後は汐梨さんと一緒にお湯に浸かりながらいろいろなことを教えてもらった。
「そろそろ出ましょ。マリナちゃん顔が真っ赤だわ」
と言うとタオルを私に差し出した。
タオルはふかふかでとても気持ちよかった。
お風呂を出た私は汐梨さんに髪の毛を乾かしてもらっていた。
なぜだか私の髪の毛を乾かしている汐梨さんはとても楽しそうだ。
鏡ごしに汐梨さんを見ていると目があってしまった。
「こうやって妹と一緒にお風呂に入るのに憧れてたのよ。うちのは男でしょ、だから楽しくて」
と私の考えていることを見透かしているかのように汐梨さんは言った。
その後も汐梨さんは私の長い髪の毛をとかしてくれた。
「マリナちゃんの髪は黄金色でとても綺麗ね。ふんわりカーブもしてて羨ましいわ」
と言って汐梨さんは笑った。
ちょっと照れくさい。
「また一緒にお風呂に入りましょ」
と言うと汐梨さんはブラシを片付け
「次はご飯よ」
と子どものように無邪気に言った。