どれくらい眠っていたのだろうか。
目がさめると部屋の中がオレンジ色に染まっていた。
起き上がり窓の外を見ると空もオレンジ色に染まっていた。
すると
コンコンッ
とドアをノックする音が聞こえた。
「マリナちゃん入るわね」
と汐梨さんが声をかけ部屋の中へと入ってきた。
「あら」
と私を見るなり汐梨さんは笑った。
えっ
と私が驚いていると
「気持ち良く眠ってたのね。髪の毛がボサボサだわ」
そう汐梨さんはまた笑った。
は、恥ずかしい...
と私がうつむくと
「ごめんなさいね、可愛くて。つい」
と汐梨さんはなんだか嬉しそうに言った。
「きっとあなたもいろいろあったのよね。お風呂に入ってリラックスしておいで」
と汐梨さんは私のベットに畳んである服を置いた。
お風呂って一回本で見たことがある。
確かお湯を溜めてそこに入るのよね。
それで石鹸で体を洗って体を綺麗にするんだっけ?
本当に本に書いてあった通りなのだろうか。
急いで立ち上がろうとした時だった。
あれ?
足に力が入らない。
「どうしたの?手伝うね」
と汐梨さんが心配そうに言ってゆっくり私を立ち上がらせてくれた。
その後も上手く歩くことができず汐梨さんに手伝ってもらった。
途中で「今日はやめておく?」と汐梨さんは心配して声をかけてくれたが「大丈夫」と私は首を振った。
迷惑をかけてしまうのはわかっていた。
けれど人間の暮らしを早く味わってみたかった。