再びあたしの一人称。
あたしは現在の鬼を探していた。
最初はレイク、その次にあたしは何とか回避できたがイルが捕まった。
その次にあっけなくフィルシアが鬼になって、ラウルが捕まる。
ラウルはあたしを狙ったが、またまた回避して再びイル。
そっからあたしは鬼を見失ってしまったのだ。
「そろそろイルじゃないとは思うんだけど」
イルも鬼を捜している。
というより、何かから逃げるように動き回っていた。
昼近くなったため、人も増えてきて誰がどこにいるのか分からなくなってくる。
あたしは途方に暮れて歩き回っていた。
と、突然誰かに肩を掴まれる。
「ひゃっ」
「やぁっと捕まえた」
あたしの悲鳴とほぼ同時にフィルシアの声がした。
そこで笑いながらあたしの周りに皆が集まってくる。
「作戦成功」
レイクはにっと笑う。
「お前さん、速いから全然追いつけねぇんだもんな」
イルも悪戯が成功した子供のような笑みを浮かべていた。
「何、皆であたしを狙ってたのっ」
あたしはむっと膨れる。
「そうそう、だから何人か潜って姿消してお前を狙ってたの」
ラウルはそう言ってあたしの額を突いた。
「何よそれぇ」
あたしはさらに頬を膨らます。
「じゃ、そろそろ戻らないとまずいな」
イルはプールサイドに建っている時計を見る。
あぁ、もう2時間もこれやってたんだ。