その直ぐ後、リンの寝息が聞こえてきた。
「全く」
ラウルは呆れたようにリンを見る。
そして、布団を被せて隣に入り込んだ。
「疲れたんだな」
と、ラウルはリンの髪をそっと撫でる。
すると、甘い香りがラウルの鼻腔をくすぐった。
シャンプーの香りとは少し変わった香り。
「……お父さん」
リンははっきりとこう言ってラウルに抱きついた。
「え、ちょっ、リンっ」
ラウルは身動きが取れなくなる。
なんだか父と勘違いされているのが少しムカついたが、そこまで悪い気はしなかったので直ぐに優しく微笑んでリンをそっと抱いた。
「……おやすみ」
そして、直ぐにラウルも夢の中へと旅立って行った。