風呂に入り終えたあたしたちは、しばらくテレビを見ていた。

「あ、寝たかったら先寝ろよ」

「ら、ラウルの方が疲れてるんじゃない? もう寝たら?」

一緒に寝るのはどうも抵抗があった。

だからこうやって、どっちかが耐えられなくなるまでテレビを見て待っているのだ。

「いや、俺はまだ平気」

正直のところあたしは眠い。

だって、こっちに連れて来られたのは夕方。

で、こっちに着いたのは朝の7時だ。

あたし、きっと1日寝てないんだわ。

テスト勉強以来だよ、徹夜なんて。

いい加減ふらふらしてきた。

「そ、そう」

けど、ラウルより先に寝るのもなんだか嫌だった。

なんか悪いって気もする。

「朝早いし、もう寝れば? いつ連れて来られたんだよ」

「……夕方」

「い、一日寝てないじゃねぇか! 眠くないのか!?」

あたしはラウルの腕に頭を寄せた。

「眠い」

「寝ろよ!」

「だって先に寝たら悪いと思って」

あたしの意識がだんだん遠くなっていく。

ヤバい、本当にこのままじゃ寝ちゃうよ。

「……ほれ、立って」

ラウルは呆れたようにあたしを見、あたしを立たせる。

テレビを消し、あたしをベッドまで運んだ。

「……ごめん」

声が殆ど寝ていた。

目は多分半分も開いてない。

「おやすみ」

最後にラウルの声だけ聞こえた。