軽く言わんでくれ。
あたしダイエットもしてきてないし、第一ビキニなんて着たことない。
「じゃあ、プールにすれば? 人は殆ど海行ってるからあんまりいないと思うけど。あ、でも海の方がいいか? ハウワイの海、綺麗だからな」
「また連れて来てくれるならあたしはいいよ」
あたしは悪戯っぽく微笑んでラウルを見る。
「わぁったわぁった。連れて来るよ」
ラウルは苦笑しながらこう言った。
「じゃ、プールでっ」
あたしは「わーい」とラウルに引っ付いた。
「で、一つ問題がある」
ラウルは急に真面目な表情を浮かべる。
「な、何?」
「ベッド、どうするんだ?」
「……あ」
あたしはダブルで一つしかないベッドを見つめる。
「あたし、ソファで寝るよ!」
「いや、俺が寝るって」
「いやいや、ラウルは明日のためにちゃんと睡眠とらなきゃ」
「いやいやいや、女の子をソファで寝かす訳にはいかねぇだろ」
「いやいやいやいや、あたしタフだから平気っ」
「いやぁ」
「いやぁ」
あたしたちは「いや」だけを連発していた。
ラウルは顔を赤くし、少し上を向く。
「一緒に寝るか?」
「へ?」
あたしはぼぉっと顔を赤くする。
「俺、一応分かってるつもりだから……お前が未来人だってこと」
あたしは俯きながら頷いた。
「あたし、ラウルのこと信じてるから平気」
あたしはラウルの腕を掴んでラウルを見上げる。
「あー責任重大……」
ラウルはため息をつく。
「あったり前でしょっ!」
あたしはくすっと微笑んだ。
「先風呂入れよ」
「はいはーい」
あたしは着替えを持って、風呂場に直行した。