「直ぐ写真が出てくる奴がいいよな」

「うん」

と、カメラの種類を見ながらかんな会話をする。

「これでいいか?」

「ん、いいと思うよ」

あたしは頷いてラウルが差し出して来たカメラを受け取った。

その間に、ラウルはレジに行って慣れた口調のハウワイ語でお金を払っている。

「ラウル、ハウワイ語できるんだ」

「何回も来てりゃ分かるようになるっての」

と、自慢げにこう言った。

あたしは首からカメラをさげる。

「よし、行くか。俺は何度も来た事あるから、好きそうな店があったら言えよ」

「うん、じゃぁ、あっちの店行こう」

あたしはラウルの腕を引っ張って向かい側の店に入った。