「ハウワイと言えばやっぱりアクセサリーだとかだけど、お前はいっぱい持ってそうだな」
と、ラウルはあたしの指輪とネックレスを見てこう言った。
「あ、指輪とネックレス? 指輪はお父さんからの誕生日プレゼントで、ネックレスはバイト仲間のレオって皮肉屋から貰ったの。髪留めは同じくバイト仲間のライムから」
「俺、一番安いプレゼントだな。一応彼氏なのに」
ラウルは顔をしかめる。
「い、いいよ。プレゼントは気持ちでしょ。コウロウの花。花言葉は永遠の愛。まだお店に飾ってあるんだよ」
あたしはラウルの腕にひっついて嬉しそうにこう言った。
「……なんかそのレオって奴に負けた気がして嫌だ」
「何、ヤキモチ?」
あたしはにやっと笑ってラウルの表情を見る。
「そう」
ラウルは照れ隠しもせずに単刀直入にこう言った。
「あたしはラウルだけだよ。だから安心して」
と、あたしはにっこり笑う。
ラウルはため息をつき、
「どうだかなぁ、お前モテるみたいだし」
「モテませんっ! ばーか」
あたしはべっと舌を出した。
そんな会話をしているうちにモールに着く。
「あ、カメラ買おう。あたし、ラウルの写真撮りまくる」
あたしは写真を撮るような動作をして見せた。
「俺撮ってどうすんだよ」
「売るっ」
「あほ」
と、ラウルはあたしの頭を軽く叩いた。
「でも、思い出残したいよ」
「はいはい、カメラね」
ラウルとあたしはカメラを買いに行った。