「ったく」
「リムちゃん、リンちゃんのことどうにかならないの?」
ライムは無言で掃き続けるリムに問う。
「……無理」
リムは一言こう言った。
「あ、そう」
ライムは、苦笑しながら返事をする。
と、突然リムはライムの方を向いて、
「人の感情は、他人がどうこうできる問題じゃない。けど、その人に助けを貸すことはできる。過去の人物とは結婚できない。そのことはリンさんもラウルさんも知っているでしょう。それでも付き合うだけとなるんだったら、いつかは辛い別れが訪れる」
「辛い……別れ」
「出会いがあって、別れがある。時とは本当に残酷なものです」
リムは、少し上を向いてこう言った。レオは呆然とリンの後ろ姿を見つめ、
「それでもあいつは、今までどおり笑うことができるだろ」
ライムはレオの横顔を見つめた。
「リンは強いから。どんな別れが来ても、また笑顔に戻るだろ」
「……それは、あなた次第です」
リムは箒をを再び動かし始めた。
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あたしが着いたとき、ラウルはまた家の外にいた。
あたしは今度は躓かないように気をつけながら、ラウルの方に向かう。
「こんにちは」
「今度は転ばなかったね」
ラウルは、あたしをからかうような表情でこう言った。
「……この前はすいませんでした」
と、あたしは頭を下げる。
「ちょっとからかっただけだよ。悪い、気にしなくていいから。いくら?」
「七百円です」
ラウルは財布からお金を出し、あたしに七百円渡す。
あたしは、ロムエルの植木をラウルに渡した。
「ありがとうございました」