あたしはレオを突き放した。

すると、休憩室の扉が勢いよく開き、ライムとロアが入って来る。

あ、ヤバイ。

「レオ……?」

ライムはこめかみに青筋立てて、レオを見つめる。

「あ、ちっ、ちがっ!」

「何が違うの! この馬鹿! 狼ぃっ!!」

ライムはドスドスと、レオの背中を殴る。

「あ、ライム! 待って、違う!」

あたしはさすがにレオが気の毒になり、ライムを慌てて止める。

が、ロアは呑気に、机に置いてあったお茶をすすっていた。

「ロアさんっ! 止めてくださいよ!」

「時がなんとかしてくれるのさぁー」

「ロアさんっ!!」

あたしはぎろっとロアを睨む。

「はいはい、分かったよ」

ロアは深いため息をついて、ライムとレオの間に入って止めた。

「で、君たちは何してた訳?」

「……リンの体質実験です」

レオは痛そうに顔を歪め、後ろ首をさする。

「は?」

「実験結果は、リンに聞いてください。俺の口から言うと、今度はリンから攻撃を食らうので」

あたしは、顔を真っ赤にしながら俯いていた。

「リンちゃん、どうしたの? レオになんかされた?」

ライムの質問に、あたしは黙って首を横に振る。

「もう、大丈夫」

あたしはにっこりと笑った。

「へぇ、実験の結果、レオがリンちゃんに抱きつけば元気になるんだ」

ロアはにやにやと笑ってこう言う。

「「違います!!」」

あたしとレオは同時にこう叫んだ。