「そういえば……ロアさん、何しに行ってたんです?」

「ん? お店の子に呼ばれちゃったから、三十分くらいちょっと遊びに行こうかなぁと……何その目は!」

「いえ、何でも……」

あたしは首を横に振る。

「ロアさん……」

「ん?」

「助けてくれて、ありがとうございました。……あたし、ロアさんに助けてもらってばっかりですね」

苦笑のような笑みを浮かべ、あたしは俯いた。

ロアはそんなあたしを見て優しく微笑み、あたしの頭をまたゆっくりと撫でる。

「リンちゃんは幸せ者だね、色んな人に愛されて」

あたしは、暗い表情のままだった。

本当に愛されているのだろうか……皆はあたしによくしてくれるけど、あたしはいつも迷惑をかけてばかりで、申し訳なく思ってしまう。

「あたしは……この世に存在してていいんでしょうか」

あたしの発言に、ロアは驚いたようなに目を見開いた。

「何言ってんの。リンちゃんは、この世に存在してなくちゃいけないんだよ。これから存在する人たちのために」

あたしは、俯いたままロアの言葉を聞いていた。

「リンちゃんは、色んな人から必要とされてるんだよ。ロウンさんもレオもライムちゃんも、それに僕だって、リンちゃんを必要としてるんだから。