あたしは散らかった部屋を呆然と眺めた。

「うっわー」

こりゃ、あたしが入院してから一度も片付けてないな。

窓のカーテンは閉まっていて、外から中の様子は見えないようになっていた。

確かに、この部屋の中見られたら大変なことになる。

「片付けるか」

あたしはため息をついて、片付け始めた。

とりあえず、洗濯物で埋まった可哀想なソファをなんとかしよう……。

あたしは洗濯物をたたむ。

「これがお父さんの分」

父とあたしの二人だけしか住んでいないと、洗濯物が少なくて済む。

約10分くらいでたたみ終えた。

「よっと」

父の分の洗濯物を担ぎ、父の部屋に入る。

そして、タンスの前に置こうと身を屈めると父のベッドの下に、紙製の箱がぽつんと置かれているのに気付いた。

あたしは首を傾げて洗濯物を置き、箱を取り出す。

「何が入ってるんだろう?」

外見だけみると、結構昔の物らしい。

埃が溜まっていて、所々傷がある。

あたしは蓋をそっと開けてみた。

すると、埃の臭いが鼻をつく。

「なんだこれ?」

中には少し膨らんだ封筒と、無数の切り取った新聞記事があった。

封筒は開いていたが、中を見る気はない。

あたしは一枚の新聞記事を手に取った。

そして、見出しを見て目を見開く。