次の日、起きると既に父はいなかった。

「仕事だろうな」

毎朝ご苦労なこった。

よくこんな生活してて体を壊さないものだわ。

若いときから仕事をしているから、疲れなんて感じないのだろうか。

あたしは肩をすくめていつおどおりバイトに出かけた。

花屋には既に店長とライムがいた。

「おはようございます。あれ、レオとリムは?」

「あぁ、レオは珍しく大学。リムちゃんは今日は本業の方が忙しいみたい」

近くにいたライムが答えた。

本業ってことは、あの占いの方か。

に、しても本当に珍しいな。

レオが大学に行くなんて。

「ふーん。じゃぁ、今日はロアさんとライムとあたしだけか」

「レオがいなくて寂しいねぇ」

と、レジに肘をついてにやにやとロアがこう言う。

「ロアさん、そんなにレオに会いたいなら大学まで行って、告白してくればいいじゃないですか」

あたしはにっこりと愛想笑いを浮かべて言ってやった。

「嫌だね。僕、一応男だし」

「ロアさん、男性だったんですねー。知りませんでしたぁ」

「リンちゃん、お給料なしねー」

ロアはにっこりと微笑んで酷いことを言う。

「いやん、それは止めてくださーい!」

あたしは指を組んで叫んだ。

と、電話が鳴る。あたしが一番近かったので、仕方なくでた。