「はい?」

まずレオの第一声。

この台詞しか出てこなかった。

「あぁ、もう! 分かった、全部話す。話したら、すぐリムちゃんの家に行けよ!?」

「え、でも、家知らな……」

「黙れ! あとで教えてやる! とりあえず、話を聞いてろ!」

ロアはレオの腕を引っ張って人通りの少ない路地裏に連れて行った。

「いいか、よく聞けよ。リムちゃんは、未来人だ」

「……はぁ!?」

「僕も、詳しいことは知らない。とりあえず、花屋に来たときにそう一言言っただけだった。で、現在どうして具合が悪いのかと言うと、リンちゃんと似たようなことが起きてるんだ」

「あいつもこの時代の誰かに恋してるんですか?」

「違う! あの子は、リンちゃんの子供なんだっ!!」

ロアの台詞を聞いたとたん、全ての時間が止まった気がした。

え、何?

リンの……子供……?

「僕も、分かったときは驚いたよ。それはもう、タイムマシーンであっちこっち調べまくったんだから。でも、リンちゃんと誰の子供かまでは調べられなかった。きっと、リムちゃんは母親のリンちゃんを助けるためにここに来たんじゃないか?」

「そ、そんな……」

レオは驚愕の表情を浮かべたままだった。

「非存在化が進行すれば、家族以外は皆彼女との記憶がなくなる。僕だって、もうほとんど覚えてなかったんだ。きっと、思い出せたのも奇跡だろう。だから、今から教える家に向かって走れ!君に何が出来るか分からないけど、リムちゃんはきっと、まだ君に言いたいことがあるだろうから」

「分かりました!」

レオは急いでロアに教えてもらった家に向かった。