あたしは目を見開く。
と、涙が込み上げてきた。
「……好き……だった」
「……」
「今でも……好きっ……本当に好きでっ……! ……馬鹿みたいにっ……大好きなのっ」
レオはだんだんと強く力を込めていく。
「会いたいよっ……ラウルに、会いたいっ……」
「俺じゃ、駄目か?」
あたしはレオの一言に目を見開き、真剣な表情を浮かべているレオを見上げる。
「俺じゃ、ラウルの代わりにはならないか?」
「レオ……?」
しばらくの沈黙が、とても長く感じた。
理解できなかったのだ。
あたしは俯き、涙を拭った。
「ラウルの代わりなんて、誰もいない」
こう言った後、レオの反応が無かった。
あたしは俯いていた首をレオに向ける。
すると、物凄く傷ついたような表情を浮かべたレオがいた。
「……そうか」
どうしてそんな傷ついたような顔をするの?
あたしは不思議に思いながらレオを見上げる。
「レオ?」
あたしがレオを呼んだ瞬間、病室の扉が鳴った。
「サッチェスさん、気分はどうですか?」
すると、白衣を着た医師らしき男性と助手のロボットが入ってくる。
「……じゃあな。早く元気になれよ」
レオはそう言って早足に病室を出て行った。
「あ、レオ、待って!」
あたしは慌ててレオの後を追おうと、病室を出て行こうとする。
が、医師に腕を掴まれてしまった。