次の日、あたしはいつもより早起きしてお弁当を作っていた。
遊園地に行けば、食べるもの沢山あるんだけどやっぱり手料理を食べてもらいたかったのだ。
父は原稿用紙持って行き着けのカフェに向かった。
「ラウル、喜ぶかな」
あたしの顔は、多分笑顔だと自分でも分かった。
鼻歌なんて歌いながら、料理を弁当箱に詰める。
「あとはラウルが向かいに来ればオッケー。早く来ないかな」
と、家の時計をふと見る。
あと10分……。
10分も待てないよ。
「あたしから迎えに行って驚かそうかな」
あたしはにやりと笑って家を出た。