公園は5分程度で着いた。
公園付近にはテレビ局の車が何十台と止まっていて、周辺に立ち入り禁止テープが貼ってある。
公園内は人だかりで凄いことになっていた。
「凄いですね」
「一応有名人だから。じゃ、あたしは仕事に行くわね。いい? 殴り合いは禁止よ」
「はいはい」
レオは苦笑しながら答える。
フィルシアは手を振って立ち入り禁止テープを潜り抜けて行った。
「さて……」
全然前が見えない人だかりを見て、レオは肩をすくめる。
仕方ない……。
と、レオは人だかりの中をかき分けて中に入り込んだ。
「すいませーん、前、失礼しまーす! ……すいません、ちょっと通りますっ」
必死になりながら前に出る。
と、やっと前が見えるようになった頃には息切れまでしていた。
「何で俺がここまでしなくちゃいけねぇんだよ」
と、ぜはーぜはー息も絶え絶えに愚痴る。
ラウルはマネージャーらしき人物と話していた。
その姿をじっと呼吸が整うまで見つめてみる。
そして、レオはある一つの疑問にたどり着いた。
「何であんな奴がいいだろう」
いつの間にかこんなことを言っている自分に、レオは驚いていた。
俺、こんなに嫌な男だったか……?