バイト後。
ロアは三台のタイムマシーンの履歴を確認しているレオを、不思議そうに見つめていた。
「何してんの?」
「履歴調べです」
「いや、それは見れば分かる。何でそんなことしてんの?」
「色々あるんですよ」
レオは履歴画面を慣れた手つきで調べ上げている。
「に、してもさぁ。僕、君に履歴の調べ方なんて教えたっけぇ?」
「ああ、高校のときに少し習いました」
「……よく覚えてるね」
ロアは呆れたようにレオを見つめた。
「あ、発見」
レオはリンが乗っていたであろうタイムマシーンを見つけた。
最新の履歴では、ラウルの家になっている。
「んじゃ、借りますね」
何も知らないロアはこくんと頷く。
「僕は帰るよ。こんな花屋に強盗が入るとは思えないし。店の鍵は机の上において置くから、帰るときは戸締りしてね。僕は鍵を持ってないんだから、明日は君が朝一で店を開けること」
「はい」
レオはこくんと頷いてタイムマシーンに乗り込む。
ロアは肩をすくめて駐車場から出て行った。
「えぇーと、ラウルの家に行ったのが9月10日。それからハウワイに行って2日後ハウワイから帰ってきた。帰ってきて1週間と1日経ってるから……今日が9月20か」
レオは頭の中で日にちを計算し、タイムマシーンの設定をした。