「ロアっ!」

花屋の出入り口から聞こえる叫び声に、ロアはびくっと体を震わせた。

「メリアさん?」

ライムは小首を傾げて、入り口で仁王立ちしているメリアを見つめる。

メリアは凄い勢いでロアの方へと向かい、ロアの胸倉を掴み上げる。

「ぐはっ」

「リンちゃんは、誰とどこに行ったのか答えなさいっ! 家に行ったらちゃんとロウンさんはいらしたんですからねっ! 言い逃れはもう出来ないわよっ!」

メリアは胸倉掴み上げ、さらに揺さぶる。

「ちょ、メリアさん、ロアさん死んじゃいますっ!」

レオは慌ててメリアを止めようとする。

「君は黙ってなさいっ! いいか、ロア! あんたにはリンちゃんの全てを預けたのっ! リンちゃんに何かあったらどう責任を取るつもりっ!? あぁ!? 黙ってないでなんとかいいなさいっ!」

「ぐ、ぐるじ……」

「メリアさんっ! ロアさん本当に死んじゃいますっ!」

ライムはメリアの体に引っ付いて離れさせようとする。

が、メリアの力にライムは勝てなかった。

リムは呆然とその様子を見ている。

と、店の扉が開いた。

「ただいまー」

そこには、にっこりと微笑んだリンの姿があった。