「平気な訳ないだろ! そんな顔真っ青にして。帰ったら直ぐ病院行けよ」

「……うん」

あたしはラウルの腕を借りて立ち上がった。

「じゃあね。ちゃんと、夜行くから」

あたしはまだ心配そうな表情を浮かべているラウルに、笑って手を振って部屋を出た。

「どうしたの、リンちゃん? 顔、真っ青」

フィルシアもラウルと同じような表情を浮かべている。

「何でもないよ。帰ろ」

あたしは安心させるように笑顔のまま答える。

そして、あたしたちはホテルを後にした。