「まぁ、なるようにしかなりませんからね……」
レオも同じようなため息をついた。
本当に、どうすりゃいいんだよ。
どうやってあいつらを別れさせりゃいいんだ。
そして、レオは頭を抱え込む。
「お二人は悩み多き年頃なんですか?」
と、後ろからライムがにっこりと、悩みなんかないような笑みを浮かべながら問いかけてくる。
「いいな、お前は。幸せそうで」
レオは半眼でライムを見つめた。
「失礼ねっ! あたしだって悩みの一つや二つあるわよ」
「俺の悩みはもっとデカくて重いんだよ」
レオは深い深いため息をついて仕事に戻って行った。
「レオ、何があったんでしょうかね?」
ライムはロアに耳打ちする。
「さあねぇー。悩み多き年頃なんだよ。いいねぇ、若者は」
ロアはレジに顔を伏せた。
「ロアさん、外見はあたしたちとそう変わらない気がするんですけど」
「この外見保つのにどれだけの苦労を積んでいるか」
「……ロアさんっていくつなんですか」
ライムは本当に不思議そうにロアに問いかけた。
「秘密」
ロアはにやりと笑って答える。
この男、絶対魔法使いだ。
魔法使って皆の生気吸って若返ってるんだっ……!
ライムは心の中で呻いた。