「……おはようございます」

レオはロアに軽く会釈してエプロンをする。

夜、リンのことが気になって寝付けなかったレオは、かなりやつれていた。

「なんか、やつれてない?」

ロアはレジで肘をついてレオに問う。

「寝てないんです……」

「あぁ、大学の方がきついの?」

「いや、大学はあんまり」

ってか、滅多に行かないからな。

大学の方は、悪友がなんとか俺が出席してるようにしてくれてると思うが。

そろそろ行かんとまずい。

レオは心の中で思った。

「じゃぁ、恋の悩みでしょ」

「まぁ……そんなとこです」

レオは苦笑しながら曖昧に答えた。

「君の場合、恋の悩み=リンちゃんだからねぇ」

「なんですか、その意味不明な等式はっ!」

「だって、本当のことだろ? 実はさ、僕も寝てないんだよ」

「あぁ、ロアさんはいつものことじゃないですか。また女の人と遊んで……」

「今日は違うよ。あの馬鹿姉貴がなにかやらかしそうで怖いんだ。ったく、何考えてんだ

か」

ロアは深いため息をつく。

本当に病んでいるようだった。