その日の次の日の朝。
メリアはロアの家に泊まっていた。
朝ご飯は珍しく姉のメリアが作り、それを無言でロアは頬張る。
「で、今日もバイトなわけ?」
「そう。姉貴はどっか行くの?」
「まぁね。あんたが出かけてから行くわ」
リンの話題になるとロアの様子がおかしくなるのを、メリアは気づいていた。
弟が家を出た後に、リンの家に行こうとしているのだ。
「余計なことするなよ」
ロアはコーヒーに口を付け、メリアを睨む。勘が鋭い姉弟なのだ。
「余計なことって?」
「別に。そんじゃ、行って来るわ」
ロアは椅子から立ち上がってバッグを持ち、家を出て行く。
家の扉が閉まった音を聞いた瞬間、メリアはにやりと笑った。
「さて、行く準備しなくちゃ」
ここからリンの家は10分程。
メリアはロアが出た5分後に家を出た。