「……リンが……死ぬ? 冗談だろ?」
レオは引きつった笑みを浮かべた。
けれど、リムは相変わらず無表情のまま。
全く冗談で言っているような表情ではなかった。
「傍にいるだけなら危害はありません。けれど、ラウルとキスをする度にリンさんは生気を失っています。そして、ラウルやフィルシアが知らない異性たちと仲良くするだけでも、リンさんの心臓は消えかかってしまうのです」
「……だからフィルシアが俺やロアさんに触れたとき、発作みたいなことが起きたのか。でも、何でだ?」
リムは初めて少し暗い表情をレオに見せた。
そして、決意したかのように真っ直ぐとレオを見つめる。
「……ラウルは……」
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リムから衝撃の事実を告げられ、レオは驚愕の表情を浮かべた。
「……リム、本当なのか」
「確かです。声と顔、全て調べさせていただきました」
レオは頭を抱え込む。
もうどうすればいいのか分からなかった。
「……あいつは、本気で愛してるんだぞ、あいつのこと」
「……分かってます」
ラウルから注文が来たとき、あんなに幸せそうに笑うあいつは他に見たことがなかった。
あいつの笑顔を見てるだけで、一目見ただけで……恋に落ちてる顔だって直ぐに分かる。
なのに……。
「俺は何をすればいいんだ?」
「……リンさんを助けますか」
「……あぁ」
「そのためなら何でもしますか」
「何でもする。あいつに一生嫌われようが、恨まれようが構わない」