「……待ってました」

中は驚くほどただっ広く、そして暗かった。

窓が一つもなく頼りになる明かりは、水晶玉から発せられている怪しげな光のみ。

その明かりにリムの顔は照らされている。

「リンさんのことですよね」

「あぁ」

リムは無表情で自分の前の椅子を勧める。

レオは会釈して椅子に座った。

リムはすっと立ち上がり、ティーカップに紅茶を注ぐ。

暗い中でよくそんな作業が出来るな、とレオは感心していた。

「どうぞ」

リムはレオの前に可愛らしいティーカップを置く。

「どうも」

「……いいえ、それじゃ……話して平気ですか?」

「あぁ」

リムはじっとレオを見つめ、そしてゆっくりと話し始めた。

「リンさんは……このままだとあと三ヶ月……いえ、早ければ二ヶ月ともたないでしょう」

レオは何の迷いもなくこう告げたリムを、大きな瞳で見つめた。