「リム、こんなのいつも持ってるのか?」
レオは片眉吊り上げて問う。
「……ううん。今日はバイトの後、そのまま仕事だから……」
「あ……そう」
レオは苦笑しながら曖昧に返事をした。
「好きなカード、選んで」
リムはカードを扇形に持ってあたしに向ける。
裏の絵はどれも同じだった。
あたしは適当に一枚引く。
表の柄は真っ白だ。
「真っ白だね……?」
ライムは首を傾げる。
「そのカード、本当に真っ白?」
リムは無表情であたしを真っ直ぐと見つめる。
「えっ」と声を上げて、あたしはカードをもう一度見た。
すると、女神と人間らしき絵が浮かび上がる。
「何……これ……」
リムはカードを覗き込んだ。
そして、
「もう直ぐ……出会いがやって来る」
静かにあたしにこう告げた。
「……は?」
言っている意味が全く分からない……。
すると、店の電話が鳴った。
あたしは慌てて電話に出に行く。
□■□■□■
「どういうことだ、リム?」
レオは首を傾げて問う。
「あの絵は……特別な恋愛の始まりを示してる……」
「特別な恋愛?」
ロアは興味深げな表情を浮かべていた。
「そう、女神と人間の……禁じられた特別な恋愛……」
リムはにやっと笑みを浮かべた。