信じられないくらい、勇気のいることだと思う。



女の子だもん。


鉄パイプなんて当たったら、絶対後遺症が残ってたと思う。


でもそんなの気にならないくらい、真っ先に蘭君を助けようと思ったのは。



さっきまで否定してたけど...わたし、彼が好きみたい。


だから...だから、怪我なんてしてほしくなかった。



なのに。



「らんくっ...ん!」


「...」




蘭君を庇ったつもりだった。


庇ったつもりだったのに。


振り下ろされた鉄パイプが、蘭君の腕に直撃。



さっそく赤く腫れ始めた腕を見て、不安が胸の奥を攻撃してくる。




「やっ...なんで!?せっかく助けようとしたのに」



痛いはずなのに
蘭君は私を抱きしめたまま、離そうとはしない。



「頼んでねえよ...いきなり出てきてふざけんな」


「...」


「あのくらい、簡単に避けれたつーのに。
お前はほんと、めんどくさい事ばかり運んできやがる」


「...っ...」