少しだけ沈黙が続いた。



ガヤガヤとすぐ近くから聞こえてくる不良達の声は、何がそんなに楽しいのかお祭り騒ぎ。



私と光花は2人取り残されたみたいに暗いのに...。




こんな所来なければよかった。


蘭君になんか出会わなければ
こんなモヤモヤとした気持ち悪い感情に浸らなくて済んだのに...。



だけど。




「あーもう!なにそんな辛気臭い顔してんのよ!!」



暗い私を、光花は許さない。



物陰に隠れて蘭君を見つめているだけで終わると思っていたのに。


ーーーグイッと光花に引っ張られて、集団の中に飛び込むように足を踏み入れた。




「ちょっ!!光花...っ」


「大丈夫、こんなに大勢の人がいるんだもん。
私達が居ても誰も気にしないわよ」


「でも...っ」


「あの店員となにがあったかは知らないけど。
このままじゃ、あの派手な女達に取られるわよ」


「えっ」


「ほら」