強引って言葉だけじゃ、片付けられないくらい

光花ってば

嫌がる私をグイグイと引っ張ってバイクが走っていった方向へ歩き始めた。




暴走族の集会を見に行くなんて


危ない...危なすぎるよ。



しかもまったく関係ない、隣街から来た私達が集会に紛れ込むなんて...


もしバレたら、ただじゃ済まされないよ、絶対。





「光花〜、やっぱり大人しく帰ろうよ〜」




帰りたい。


すっごく帰りたい。


だってなんだか悪いことしてるみたいなんだもん、今までで生きてきた中で1番。



でも光花はそんな私を無視して、どんどん足を前へ前へと。




いい感じに月が空に昇ってきたところで、私たちの影はどんどん大きくなっていく。




さっきまで派手なお店がズラリと並んでいたのに、今は静かな住宅地に来ている。





ほんとにこんな所で暴走族が集会なんか開いているのか不思議に思ったけど...。




ーーーブオンと、どこからともなく聞こえてきたエンジン音。


普段はうるさく感じるその音が、今は芸術のように感じるから、ドキリと私の心臓を高鳴らす。




「ふーん...住宅地の少し先にある土手で集会やるなんて。
結構目立たないところでやるのね」



バイクの集団を見つけた光花は、言いながら柄の悪い連中の集会をこっそりと覗きはじめた。