「ねえ、今日"集会"があるんですってー!!」


「ほんとに!?
だからバイクがあんなにいっぱい走ってるのね」


「そうそう。
暇だし、見に行かない?
人もいっぱい居るし、私たちが集会に紛れ込んでも誰も気づかないと思うしさあ」


「うん!!行こ行こ!!
"あの人"にも会えるかもしれないしね」




前からやってきた金髪ギャル2人組。


声が大きすぎて会話は私たちの耳にすっぽりと収まる。



別に聞きたくて聞いたわけじゃないけど。


なんだかやましい気持ちになり、俯きながら彼女達の横を通り過ぎた。




「..."集会"って...だからあんなにバイクが走ってんのね」



ブランド物のバッグを雑に握りしめながら言う光花。




「...集会ってなに光花?...さっきの子達の話からすると、暴走族に関係あるの?」



不思議に思い、目を丸くさせながら聞いてみると。



「集会って。まあダサく言えば交流会みたいなもん。
族にも族同士の関わりってもんがあんのよ。
敵対してない限り、無駄な争いは避けたいしね」


「へえー、光花詳しいんだね」


「まあ、前の彼氏が暴走族だったからね。
てか私達も行こうよ!!集会」


「えっ!!?
何言ってんの光花!!そんなのダメだよ!!私たち関係ないんだしっ!!」


「聞いたでしょ?さっきのギャルの話し。
関係ない人達が行ってもバレないぐらい人が多いんですってー!!
どんだけ人がいるか気にならない?」


「だっ、そんなの絶対ダメだよー!!普通の不良とは訳が違うんだから危ないよ!!」


「大丈夫大丈夫!!
見るだけだから、ねっ?」