「らんくんの...バカッ...」


「...あ?」


「好きじゃないくせにキスして。
おまけに嫌味だなんて...ほんと信じられないっ!! 蘭君なんか...蘭君なんか...っ」




"大っ嫌い!!"




雷が落ちるより衝撃的だった私の大声は。



頭に血が上って、息だって上手く吸えなくて。




蘭君に"大っ嫌い"と、怒りをぶつけた直後

目に溜まった涙が散らばって、フッと意識を失った。




ーーードサッと床に倒れた痛みだけは覚えてる...。




その後

意識が戻って、昨日の雨や雷は嘘みたいに消えていた。

外は虹もできちゃうくらいの快晴。



私はベッドの中に居て、探しても探しても蘭君は部屋の中には居なかった。




喧嘩...ってほど、親しい仲がするようなモノじゃないけど...。



その日以来、蘭君とは顔を合わせていない。



私はできるだけ蘭君の住んでるマンションの近くの街には行かないようにしてる。



だってもしバッタリ会ったりなんかしたら、どんな顔していいか分からないから...。