「...お前、本当に誰とも付き合ったことないのか?」


「う...うん。男の人ってちょっと苦手で...」


「なんでそんな奴が無防備に男の部屋に泊まってんだか」


「うっ...。だって蘭君は別に...」



苦手じゃないから...。



それどころか、ずっと一緒に居たい、もっともっと蘭君のことが知りたい。



そう思うことは...イケナイ事ですか...?




「キスもしたことねえのか」


「うへっ!!?」



らっ、蘭君ってばこんな時になんって恥ずかしい質問してるの!!?



雨音じゃ誤魔化せないくらい、普通に質問してくるから驚いて肩が跳ねちゃったよ。




「きっ...キス、なんて。そんなこと」


「出来ねえの?」


「...へっ?」


「俺としてみるか?」


「.........えっ.........?」


「男と女が暗闇の中二人っきり。
そういう展開になってもおかしくないよな?
そういう事含めて、泊まるってことだろ?」


「...っ...」


「...なあ?」