「ブレーカーは...落ちてないみたいだな」
1人になるのが嫌で、ブレーカーの様子を見に行く蘭君の後ろをついて行った。
同じ空間に居るのに、必要以上に離れたがらないのは暗闇のせい?
それとも...
ーーーーピカッ!!!!
「うわっ!!!!」
一瞬だけ見えた蘭君の顔は、映画の主役みたいにかっこよくて。
でも見惚れる暇がなかったのは、弾け飛ぶような勢いで雷が落ちたから。
怖すぎて無我夢中で...蘭君に抱きついてしまった。
「あっ...らんくんごめっ...ひい!!」
また、夏を彩る花火のように大げさに雷が鳴った。
そのせいで蘭君から離れられない。
離れるどころか、さっきよりもギュッと抱きしめる力が強まる。
「ごめ...っ、でも...怖いのわたし...カミナリ...」
「そんなに怖いのか?」
「うっ...うん」
「しょうがねえな。
血臭いけど、我慢しろよな」
「へっ?」