蘭君のこと、意識しすぎてなんだかものすごく疲れちゃった。



小さな小さなため息を零した。


まだ髪の毛は乾いてないけど、もういいやとドライヤーの電源を切ろうとしたとき。




ブォ...っとドライヤーの熱のこもった風が電源を切ってもいないのに急に消えた。




そして、テレビのガヤガヤした音と蘭君の部屋の明かりも全部消えて、急な暗闇の世界へと引きずり込まれた。




「蘭君...っ!えっ、居るよね!?」




慌てて蘭君の存在確認。




「ああ」


「なんでっ!!急に電気が消えたの?」


「...ブレーカーでも落ちたんだろ」


「そっ...そんなあ...」



一瞬の光さえ与えてくれない暗さに、不安で不安でしょうがない私とは違って


蘭君はすっごく落ち着いてる...。



なんだか1人だけ焦っちゃって子供みたい...わたし。




なんでそんなに落ち着いてられるの?


こんなに暗いのに。


こっ...怖い...。




「ねえ、蘭君居るよね?」


「...」


「らん君...っ!!」


「ああ?お前うるせーよさっきから。
居るに決まってんだろ」


「うるさいって言われても...怖いんだもん」


「んなこと知らねえよ」


「もう!なんでそんなに冷たいの!?
うわー!!暗いの怖い死ぬー!!」


「死ぬって...大げさな奴だ」