やっぱり...蘭君って優しいね。



冷たい態度で、どこか距離を置かれているような気がしたけど...


元々"そういう"性格なのかもしれない。



「...くしゅっ!!!!」




外の雨音にも負けないほど、大きなくしゃみだった。



女の子らしくないくしゃみに、思わず蘭君の顔色をうかがうと。




「風呂入ってこい」


「えっ!!!!?」



用意のいい蘭君は、タオルと服を私の手のひらに置く。




ちょっとちょっとちょっと!!!!



なにこの展開!!


だって、えっ。
そりゃあお風呂入らないと...匂いとか気になるけど。



だって、でも。
男の人の部屋でお風呂に入るなんて...
恥ずかしいし1日くらい入らなくても...



色々妄想しすぎてグルグルと視界が回っちゃう。


そんな私を見て蘭君は。


「...お前の裸なんか興味ねえから覗かねえよ...」



眉間にシワを寄せながら不機嫌になっていた。