最初は大人だと思ってた蘭君も
今じゃあちゃんと同い年に見えるから不思議だ。
...まあ会った時よりカッコよく見えちゃうのが、彼の罪なところなんですが...。
とにかく私に出来ることは全部したくて、蘭君にキッチンを借りた。
1回も使われてる様子がない、それくらいキッチンはピカピカだ。
高級臭いモダンキッチンを、この庶民代表を絵に描いたような私が使うなんて...なんだか恐れ多い。
蘭君のことだから...絶対夕飯はカップラーメンとかで済ませてそう。
そう思いながら、ゴミ箱の蓋(ふた)を開けると読みが当たった。
ゴミ箱は食べ終えたカップラーメンだらけだ。
「...なんて...健康に悪いんだろう...」
無意識にそう呟きながら、冷蔵庫を開けると。
「嘘でしょ...」
ガラーン...と。
なにも入っていない、あるのは冷気だけだった。
結局、おかゆしか作れなかったけど。
米と卵があっただけラッキーだったのかも。