本当に心配したんだもん。


放っておくことなんて出来ないよ...




「とにかく...蘭君の傷の手当てしたら帰るから...」


「...」


「...ねっ?」



別に彼女気取りしてるつもりはないけど...

蘭君からしたら、大して仲良くもない女に、ここまで世話を焼かれるなんて...ムカつくことだと思う。




でも


本当の本当に心配だから、私は蘭君が怖い顔したって絶対逃げないよ。





いつまで経っても素直にならない蘭君が、ため息を吐きながら、上半身をベッドに戻した。



この気まずい空気の中で
"なにがあったの?"なんて、怪我のこと聞けるほど、勇気が出ないから。



とりあえずニッコリと作り笑い。



お互い数分間だけ黙っていると。




「お前、飯作れんのか...?」




横向けに眠ってる蘭君が、頭を私の方に向けながら、そう聞いてきた。



「あっ...少しなら!!」


「...お前、俺の看病するとか言って、傷の手当てすらしてねーじゃねーか。」


「じゃ、じゃあ!!傷の手当てしたら急いで飯作るね!!」


「早くしろ」


「うんっ!!」