「...蘭君が、あの。
蘭君にこれっ、ブレザー返そうと思って。それで。」



「...」



ブレザーの入ってる紙袋を差し出しながら、動揺しすぎて噛みまくり。


蘭君だって分かってはいるんだけど
意識のある血だらけの男をいざ目の前にすると、うろたえてしまう。



こんな時に限ってメンタルが弱くなるから嫌になってくる。





「...それ、置いて出ていけよ」



そう言って、目を閉じながらタバコを吸い始める蘭君。



ある意味病人なのに、タバコ吸うなんて最悪だ。



「...」




素直に紙袋はサイドテーブルに置いた。


でも帰るつもりはない。



「そんな傷...見せられて帰れるわけないじゃん」


「お前には関係ないだろ」


「あるよ...っ...!!」


「......あ?」



「だって私...っ!!」