ーーーけど。
「えっ......、蘭君?」
倒れている男の顔に、見覚えしかない。
これは罠なのか。
これは夢なのか。
これは現実なのか。
いつもと雰囲気が違う彼に、試されているような気がした。
そして"確定"する。
彼がとんでもなく危ない人間だってことが。
倒れているのは蘭君だけじゃない...
それこそ暗くてよく見えなかった。
蘭君の周りには結構な人数の男が倒れていたんだ。
しかもその中で、1番傷を負ってないのが蘭君。
倒れている男達は皆同じ服を着ているのに...蘭君だけは着ていない。
つまり"そういう事だ"
ーーー彼は一体何者なのか。
ブルッと体が震えたと同時に、怖いくせに、彼の前でしゃがみ込む。