それから1週間。
蘭君の学校の近くに行っても、待ち伏せしても、彼の姿が見当たらない。
学校...全然行ってないのかな?
蘭君、不良っぽいし。
高校生で深夜バイト。
おまけに酒とタバコだもん、悪すぎますよ蘭君。
「しょうがない...家に行ってみようかな」
1度だけ行ったことがある、蘭君の家。
その方向へ足を向けるのに、ちょっと照れさえあった。
蘭君のブレザーが入っている紙袋をしっかりと持って、少し離れた街まで来た。
本当は返したくない...
だって、これを返したら蘭君との繋がりがまた消えちゃうから...。
でも、そんなの私の勝手なワガママ。
気づけば空は暗くなっていた。
でもお店から漏れた明かりが、街をキラキラと輝かせて。
私達の住んでる街とは少し違う...ここは大人の世界だ。