目を大きく開いて濡れた制服を見ると、確かに透けていた。
こんな日に限って派手な色着けてるなんて...。
てか、蘭君に見られちゃったよ...どうしよう、恥ずかしすぎて死ぬ。
思わず借りたブレザーでギュッと。いっちょ前に下着を隠す。
そんな私を見て蘭君は心底どうでもよさそうに、歩き始めた。
「あっ、蘭君!!後で返すね!!」
追いかける勇気が出ないから、大きな声で彼の背中に向けて言う。
でも...蘭君からの返事はなかった。
こんなみっともない姿を見せられて...
そりゃあ蘭君だって呆れちゃうよね...。
「はあ...」
蘭君に1度もいいところを見せてない気がする。
それどころか、見られるのはいつも悪いところばかり。
そんな私を蘭君はどう思っているのか。
聞きたくても、聞けない。
きっと聞いても答えてくれないと思う。
大雨から小雨に変わった瞬間に急いで帰りながら、浅すぎるこの関係をどうにかしたいと。
悩みと水滴は尽きるどころか、どんどん大きくなっていく一方だった。