「ーーーおい」



俯いた私の前に現れた低い声に、顔を上げる。




「らっ、蘭君!!?」


「なにしてんだ?こんな所で」



会いたいと思っていた人が、今、目の前にいる。



夢じゃないかとすぐに疑ってしまった。



だって、だって。


きっと、こんな簡単(偶然)に会えるような人じゃないから。




「あっ、蘭君久しぶり!!
え...っと!ほら雨降ってるから雨宿りっ」



緊張して声が裏返ってしまう。



平常心ではいられない。



学生服着た蘭君...かっこよすぎるんだもん。





「ほー...まあどうでもいいが」


「...蘭君はなんでこんな所に?」


「すぐ近くの学校通ってんだよ」


「あー...男子校通いなんだ、蘭君」


「まあな」