みいと2人、携帯のゲームアプリで時間を潰しながらぽつぽつと話していると、

若い女性店員が「小さなジャンボパフェ」と「シナモンパンケーキ」を運んできた。


会釈して彼女を見送ると、わたしはみいに「大丈夫?」と問うた。

「なにが?」と言いながら上の大量のホイップクリームを頬張るみいに苦笑する。

「はあ、幸せ。あたし、甘いものなら無限に食べられる自信ある」

「みい、本当に甘いもの大好きだもんね」

「ほんっと幸せ」

幸せそうな笑顔で小綺麗な顔をくしゃくしゃにするみいに「よかったね」と自然に浮かんだ笑顔を返し、パンケーキを1口分切った。

それを口に入れると、右手に持っていたナイフがするりと奪われた。

みいの手に握られたナイフは、パンケーキを大きめに切り、

パフェを食べるのに使っていたスプーンがその大きめに切られたパンケーキを盗んでいった。

小さな口に綺麗に納められたパンケーキを、わたしは少し盛った泣きそうな顔で見送る。